【はじめての人のための完全ガイド】

毛と脱毛のしくみ

医療脱毛をはじめて検討する人が、しくみ・効果・リスク・料金・契約まで、順番に理解するための一冊

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02 — MECHANISM

毛周期とレーザーが効く理由

「なぜ1回で終わらないのか」「なぜ産毛や日焼け肌は難しいのか」は、すべて毛の構造と毛周期で説明できます。この章の内容が、以降のすべての章の土台になります。

毛の構造 — レーザーが狙う2つの場所

図2-1 毛包の断面と、脱毛レーザーが標的にする2つの部位(概念図)

図2-1 毛包の断面と、脱毛レーザーが標的にする2つの部位(概念図)

脱毛レーザーの原理は「選択的光熱分解」と呼ばれます。特定の波長の光は、毛に含まれる黒い色素(メラニン)に選択的に吸収され、そこで熱に変わります。この熱が、毛の成長をつかさどる毛乳頭・毛母細胞や、毛の元になる幹細胞があるバルジ領域を破壊することで、その毛穴から毛が再生しにくくなります。

この原理から、次の3つの性質が導かれます。

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黒く太い毛ほど反応しやすい

メラニンが多いほど光を吸収します。ワキやVIOは効果を実感しやすく、産毛・金髪・白髪はメラニンが少ないため反応が弱くなります。

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日焼け肌はリスクが上がる

皮膚側のメラニンも光を吸収するため、日焼けした肌では表皮が熱を持ち、やけどや色素沈着の原因になります。施術前後の日焼けが禁止されるのはこのためです。

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色素のある部位は照射できない

ほくろ・タトゥー・濃いシミは、そこに光が集中して熱傷になるため、原則として避けて照射します。保護シールで覆う対応が一般的です。

毛周期 — レーザーが効くのは「成長期」の毛だけ

図2-2 毛周期。表面に見えている毛のうち、成長期にあるのは一部にすぎない

図2-2 毛周期。表面に見えている毛のうち、成長期にあるのは一部にすぎない

毛は「成長期 → 退行期 → 休止期」を繰り返しています。レーザーが効果を発揮するのは、毛と毛乳頭がつながっていてメラニンも多い成長期の毛だけです。休止期の毛穴は、表面に毛がなく、光を吸収するものもないため、その回の照射では処理できません。

体毛の場合、ある時点で成長期にある毛は全体の一部にすぎず、部位によって割合も周期の長さも異なります。1回の照射で処理できるのはその時点の成長期の毛だけなので、残りの毛が成長期に入るのを待って再照射する必要があります。これが、医療脱毛が複数回・数か月おきに行われる理由です。

「効いた実感」が出るまでの流れ

照射当日

変化なし

1〜2週間後

毛が抜け落ちる

3〜4週間後

休止期だった毛が生える

次回照射

1.5〜3か月後

照射直後に毛が抜けるわけではなく、1〜2週間かけて処理された毛が自然に抜けます。その後、別の毛穴から新しい毛が生えてくるのは「効いていない」のではなく、前回休止期だった毛が成長期に入ったためです。この毛を次回の照射で狙います。

要点

「1回目で全部なくならない」「照射後に毛が生えてくる」は、失敗ではなく毛周期のしくみ上の当然の経過です。逆に、毛周期を無視した短い間隔での照射は、休止期の毛穴に無駄な照射を重ねるだけで、回数消費と肌への負担が増えます。