【はじめての人のための完全ガイド】
医療脱毛の契約と解約のルール
医療脱毛をはじめて検討する人が、しくみ・効果・リスク・料金・契約まで、順番に理解するための一冊
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09 — CONTRACT & CANCELLATION
特定商取引法とクーリング・オフ
2017年12月から、一定の条件を満たす美容医療の契約は「特定商取引法」の対象になり、クーリング・オフや中途解約のルールが法律で定められました。条件を満たさない契約には適用されないため、自分の契約がどちらかを知っておくことが重要です。
特定商取引法が適用される条件
条件1
契約期間が1か月超
条件2
契約金額が5万円超
条件3
対象施術(脱毛を含む)
すべて満たすと
特定継続的役務提供
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、美容医療は「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、体重を減じ、又は歯牙を漂白するための医学的処置、手術及びその他の治療」として、契約期間が1か月を超え、かつ金額が5万円を超える場合に規制対象になります。医療脱毛の複数回コースは、通常この条件を満たします。
要点
逆に、1回ごとの都度払い(1か月以内・5万円以下)や、5万円以下の少額コースには適用されません。この場合、クーリング・オフや法定の中途解約ルールは使えず、クリニックの規約に従うことになります。実際に消費生活センターには「クリニックで契約した医療脱毛を解約しようとしたができないと言われた」という相談も寄せられています。
特商法が適用される場合の3つの権利
書面の交付を受ける
契約前に「概要書面」、契約時に「契約書面」を受け取る権利。書面には施術内容、回数、金額、解約条件などが記載されていなければならない。
クーリング・オフ(8日間)
法定書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず書面または電磁的記録(メール等)で契約を解除できる。すでに支払った金額は全額返金。
中途解約
9日目以降でも、将来に向けて契約を解除できる。クリニックが請求できる金額には法律で上限がある(下表)。
中途解約のときにクリニックが請求できる上限
2万円
すでに受けた施術の対価 + 「5万円」または「契約残額の20%」のいずれか低い額
注意
「すでに受けた施術の対価」をコース割引前の通常単価(1回¥80,000など)で計算する契約書があります。その場合、2回受けただけで既提供分が¥160,000となり、返金額は大きく減ります。契約前に「中途解約時の1回あたりの精算単価」を必ず確認してください。
医療ローンを組んでいる場合
信販会社の医療ローン(個別クレジット)で支払っている場合、クリニックとの契約を解約しても、ローン契約は自動的には終わりません。クリニックの解約手続きと並行して信販会社への連絡が必要です。
また、クリニックが閉院・倒産して施術が受けられなくなった場合、割賦販売法にもとづき、未施術分について信販会社への支払いを止められる「支払停止の抗弁」を主張できることがあります。
ただし、消費者委員会の資料では、契約回数を超えて施術を受けていたため支払停止に応じてもらえなかった事例も報告されています。
契約書で確認する項目
施術部位と照射範囲(範囲図が契約書に添付されているか)
回数と有効期限(期限切れ時の扱い)
総額と、コース料金に含まれるもの・含まれないもの(麻酔・剃毛・薬代)
中途解約時の精算方法と「1回あたりの精算単価」
クーリング・オフの記載(法定書面である旨と受領日)
予約キャンセル・変更の期限と、キャンセル料・回数消化の有無
返金の方法と時期(ローンの場合の手続き)
使用機器名と、副作用が起きた場合の診察・薬代の扱い
コース終了後の追加照射の単価
妊娠などで通えなくなった場合の休止・期限延長の可否
要点
「本日契約すれば割引」と言われても、契約書と概要書面を持ち帰って読む時間を求めるのは正当な権利です。持ち帰りを認めない、あるいは書面を渡さないクリニックは、それ自体が判断材料になります。契約したら、書面の受領日をメモし、書面は施術完了まで保管してください。